こころの傷はからだに表れる 3
大多数の人は胸骨に反射中枢があり、からだの奥に居座っている感情のパターンがそこに集まっていることが多いのです。
だから胸骨に手をふれて、なんの動きも感じなければ、まずまちがいなく、からだのどこかに感情の固若がある・・・
なんらかの深刻なこころの悩みが解決していないと考えていいのです。
わたしはいまも、そんな患者のひとりを診ています。
筋組織に炎症があってひどく痛み、筋痛と診断されている婦人です。
その婦人の問題も幼児期に経験した両親とのめんどうな関係にさかのぼります。
いまでも、なにかを決断しようとすると、何十年も前に父親と母親とのあいだに生じていた葛藤があたまのなかによみがえってくるといいます。
胸骨をさわれば、わたしにもそのときの緊張を感じとることができます。
わたしは患者の生い立ちを理解しようとするあまり、その人の感情生活に巻きこまれることのないようにこころがけてきました。
それが治療家の仕事だからです。